会計ソフトを導入したら税理士はいらないの?
わざわざお金をかけて税理士と顧問契約をするメリットは?
こんにちは、月間2万人が閲覧する『サトルライフ』を運営しているサトルです。そんなお悩みや疑問にお答えしますので、是非ゆっくりと見ていってください。
僕自身は、みずほ銀行→M&A仲介→税理士法人グループ→フリーランスとして活動中。
なので、複数の税理士とつながりがありますし、一緒に仕事もしてきまし。そういった経験も踏まえてまとめていきます。
僕は「開業freee」で開業届を提出し正式に個人事業主(フリーランス)となり、「会計freee」を利用中です。
今回はこんな内容をまとめていきます。
- 会計ソフトを導入しても税理士が必要な人がいる
- 会計ソフトで出来ること
- フリーランスに人気の会計ソフト3つ
- 税理士に出来ること
- 税理士と顧問契約を結ぶメリット
現状フリーランス2年目に入ったばかりで、残念ながら税理士と顧問契約をするほど困ってはいませんが、もし困れば考えます(消費税申告などが発生しても、勉強のために一度は自分でやります)。
- 多少稼ぎ始めてきたフリーランス
- 会計事務に悩むフリーランス
この記事を読むことで、現時点で自分に税理士がいるのか、いらないのか明確になるはずです。
会計ソフトを導入すると税理士はいらない?【こんな方は必要】
こんなフリーランスは、税理士と顧問契約を結び、会計業務をお任せした方が全体最適を考えた時に有益です。
- 消費税の申告がある方
- 大きな利益(1千万を超えるような)が発生し、節税を考えたい方
- 現金商売をしている方
- 会計業務の時間を節約して本業で稼ぐ力のある方
それでは深堀していきましょう。
消費税の申告がある方
消費税は税金を負担する人と納税義務者が異なる間接税であり、納税義務者には基準期間の課税売上高が1,000万円を超えた場合など、個人事業主も含まれます。
該当した場合には、消費税の申告と納付が必要になり、それなりに厄介です。
ですので、ここまでの売上になってきたら、税理士と顧問契約を結ぶのも手です。
詳しくは、freeeの公式ページに「個人事業主のための消費税簡単計算法!確定申告で消費税の処理に悩まないために」があるので、どうぞ。
大きな利益(1千万を超えるような)が発生し、節税を考えたい方
ご存じの通り、日本の所得税は累進課税なので、課税所得が増えれば増えるほど税率が高くなります。
仮に課税所得が1,800万円を超えると、所得控除はあるものの税率は40%、さらに住民税も10%程度となるので、利益の半分程度は税金を納めなければいけなくなります。
つまりこういった層の方は、所得が1,000万円増えても半分税金でもっていかれてしまうので、何とか減らそうとするわけです。
そこで活躍するのが、税金に最も詳しい「税理士」です。
こういった層になって税理士に相談したいですね。
現金商売をしている方
現金商売をしていると、税務署としても申告してきている売上や所得が、本当に合っているかどうか確かめようがありません。
通常ネットでの取引や口座振込の場合には、どこかに証拠が残っているので、税務署としても把握しやすいです。
なので、現金商売をしている方は税務署から目を付けられやすい=税務調査を受ける確率が上がるので、あらかじめ税理士サポートを受けた方がよくなります。
会計業務の時間を節約して本業で稼ぐ力のある方
フリーランスでも仕事が増えてくればこういった状況になるでしょう。
常にこうありたい。
自分の時給が4,000円だったとして、会計業務に1ヶ月で合計4時間かけているとすると、機会損失は4,000円×4=16,000円です。
税理士への顧問契約&記帳代行の月額が、仮に15,000円程度だとすると税理士にお願いした方が効率的だと考えられます。
なので、自分が会計ソフトを使用した会計業務にどのくらい時間をとられているかを計算してみて、それがあまりに長いようであれば税理士と契約をした方が効率的です。
会計ソフトで出来ること
大きく分けると、こんな感じです。
- 仕訳・記帳
- 入出金の確認
- 見積書・請求書・発注書などの書類の作成
- 損益データなどのレポート作成機能
- 口座(銀行口座・クレジットカードなど)の自動同期
- 決算書類作成
- 青色確定申告
基本的に会計業務に必要なことは一通りできるので、複雑な会計業務や事象が無い限りは会計ソフトで十分です。
例えば、僕が利用している「会計freee」で出来ることはこんな感じです。
今のところスタータープランで十分ですので、安上がりです。
フリーランスに人気の会計ソフト3つ
最近は、クラウドの会計ソフトがフリーランスの方には人気で、上位3社で9割超のシェアを誇っています。
になります。簡単に特徴をまとめるとこんな感じです。
どのサービスも、勢いのある企業ですので、競合他社の研究もしっかりとしているため、同じようにアップデートされています。
freee
おすすめ度 | ★★★★★ |
会社名 | フリー株式会社 |
設立 | 2012年7月 |
従業員数 | 481人 |
市場名 | マザーズ上場(2019年) |
事業内容 | クラウド型会計・人事労務ソフトなど |
2012年に設立されてから、ここまでのシェアを獲得しているので、フィンテック系のスタートアップ企業の中でも大注目の企業です。
上の通りクラウド会計ソフトの中では、1番利用されているソフトですが、フリーランスに限っていうと、1番は弥生、2番がfreeeになります。
とはいえ、新興勢力のfreeeの勢いは強いのが実情です。
無料お試し期間は1ヶ月(その後も無料プランの利用自体は可能/確定申告は不可)
確定申告は○×の質問に答えるだけ
会計知識が無くても確定申告と経理が可能
入金・支払い予定をお知らせ
請求・見積り・発注作業が完結
弥生
出典:https://www.yayoi-kk.co.jp/
おすすめ度 | ★★★★★ |
会社名 | 弥生株式会社 |
設立 | 1978年 |
従業員数 | 794人 |
市場名 | 未上場(オリックスグループ) |
事業内容 | 会計・販売管理・顧客管理ソフトなど |
青色申告つまりフリーランスについては、弥生を使っている人が57%と多いです。
これは弥生の歴史が長いというのもありますが、支持されてるサービスでもあるということです。
無料体験期間は最大2ヶ月(確定申告は不可)
有料期間移行後も最初の1年は非常に格安
業界最大規模のカスタマーセンターがサポート(満足度93%)
青色申告の2人に1人が利用
画面の案内に沿って入力するだけで確定申告完了
マネーフォワード
出典:https://biz.moneyforward.com/tax_return/
おすすめ度 | ★★★★ |
会社名 | 株式会社マネーフォワード |
設立 | 2012年5月 |
従業員数 | 865人 |
市場名 | 一部上場(2021年) |
事業内容 | クラウド型会計・人事労務ソフト・家計簿アプリなど |
freee同様に、フィンテック業界で大注目のスタートアップ企業です。
基本的な会計ソフト機能は他2つと変わりませんが、給与計算、勤怠管理、マイナンバー管理など会計業務だけではなく、人事系のサービスも併せて他社と同じような月額料金で利用可能。
ただ、これらの給与計算や勤怠管理などの人事系のサービスは、ある程度の人数を超えると従量課金制なので、ご注意ください。
出典:https://biz.moneyforward.com/tax_return/
無料トライアル期間は1ヶ月(無料トライアル中も確定申告は可能)
確定申告をラクにする「自動化」機能が優秀
請求・経費精算と連携が可能
家計簿アプリ「マネーフォワードME」との連携で家計簿データを利用した入力も可能
税理士に出来ること
税理士によっても様々ですが、一般的に
- 仕訳
- 記帳代行
- 決算書類作成/確定申告
- 税金に関する総合的な判断、アドバイス
といったところですので、会計ソフトで自分で会計業務を行うのと大きく違うところは、この2点です。
- 会計業務を代行してくれる
- 税金に関する総合的な判断、アドバイスをくれる
1つ目は当たり前ですが、2つ目はかなりあいまいで正直税理士次第かなといったところです。
節税的なアドバイス、いわゆるコンサルティング的なサービスをしてくれる税理士もいれば、ただの事務作業だと思って、仕訳・記帳代行・決算業務をする税理士もいます。
一概には言えませんが、意識の高い税理士の方は前者が多いですが、付加価値も提供してくれるため、依頼する料金は高くなります。
単純に事務だけきっちりとやってくれればいいというフリーランスの方は、いくつか税理士事務所を回って、見積もりを見比べればOKです。
税理士と顧問契約を結ぶメリット
複数の税理士と一緒に仕事をしてきた中で感じるメリットは、こちらの3点です。
- 仕訳・記帳ミスの削減
- 税務調査への備え
- 節税に関するアドバイス・コンサルティングを受けることも可能
ちなみに、税理士を利用するデメリットは費用がかかるという当たり前のことですので、細かくは触れません。
それでは、メリットを細かく見ていきましょう。
仕訳・記帳ミスの削減
ここについては、税理士にお願いをする最低限のメリットですね。
自分で仕訳・記帳をするよりも削減というか、ほぼ無くなります(ただ、税理士=税務署ではないので、0ではありません)。
税務調査への備え
決算処理・確定申告をするときから、税務署に目を付けられないようにしっかりと仕訳・記帳をして申告をしてくれます。
当然税理士も税務署から目を付けられたいわけではないので。
ただ、税務調査の対象となり税理士にサポートしてもらう場合には、事前準備・当日の立ち合い・修正申告で、数十万円かかるので、費用負担は相応にあります。
逆に「会計freee」のプレミアムプランを利用すると、税務調査時の税理士費用が50万円まで負担してくれたりするので、このプランを活用して普段は「会計freee」だけというのもありですね。
節税に関するアドバイス・コンサルティングを受けることも可能
これは、税理士によって一番大きく変わるところです。
上にも記載しましたが、節税的なアドバイスをしてくれる税理士もいれば、ただの事務作業だと思って、仕訳・記帳代行・決算業務をする税理士もいます。
前者の場合には、その分費用が高くなったり、税金を抑えるような投資商品への紹介があったりします。
少し話題は逸れますが、注意点があります。
ここだけの話、投資商品を紹介する場合、通常は税理士と投資商品を販売する業者が紹介契約をしており、税理士はその業者から顧客紹介料をもらったりしているケースが一般的です。
つまり裏を返せば、その投資商品をそのまま購入すると割高になっているケースが圧倒的に多いです。
ただ、税金対策で投資商品を購入する場合には、自分でイチから組成しない限りは必ず業者が絡むので、ある程度割高にはなります。
なので、紹介された業者だけではなく他の業者と複数比較をして選択することが大事ですね。
【まとめ】基本的にはフリーランスに税理士は不要!会計ソフトのみで十分
今回の内容をまとめるとこんな感じです。
会計ソフト+税理士を検討すべきフリーランスはこちら。
- 消費税の申告がある方
- 大きな利益(1千万を超えるような)が発生し、節税を考えたい方
- 現金商売をしている方
- 会計業務の時間を節約して本業で稼ぐ力のある方
それ以外の方は、こちらのクラウド会計ソフトで十分です。
個人的には、会計業務はある程度勉強にもなるし、少なくても1回か2回は確定申告までやっておいた方が、社会勉強にはなると思います。
僕も当面はクラウド会計ソフトに頼りつつ、自分で確定申告までやっていきたいと考えています。
フリーランスにおすすめの会計ソフト3選!freee・弥生・マネーフォワードを徹底比較