【将来性は無し】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

【残念ながら】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

最近は地方銀行を中心に減収減益とか赤字とか続いているし、将来性がないのかなあ。
地銀はオワコンとか言われているけど、どうなのかな。

こんにちは、月間2万人が閲覧する『サトルライフ』を運営しているサトルです。そんなお悩みや疑問にお答えしますので、是非ゆっくりと見ていってください。

僕自身は、みずほFG(中堅中小・大企業・ファンド営業)→M&A仲介→資産運用系ベンチャー→Web制作・Webメディア構築の個人事業主といった決してマネしないであろう道を進んでいます。

ここでは、これらの内容を解説していきます。

  • 【将来性は無し】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由
  • 地方銀行がオワコンとならないための取り組み

自分自身の経験、周りにいる銀行員仲間の話、ニュースを基にリアルな情報を中心にお答えします。

銀行志望の方、これから銀行に就職・転職しようと考えている方は是非ご覧ください。

この記事を読むことで、中堅・下位の銀行はやめておこうという意識になるはずです。

【将来性は無し】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

【残念ながら】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

題名の通り、地方銀行の上位数行は当面生き残ると思いますが、大半の地方銀行はオワコンです。将来性が無いといっても過言ではありません。

地銀に将来性が無いということは銀行が無くなるということですか?

菅総理も銀行は多すぎると言っていますし、半分政府主導で減るはずです。また、赤字続きの地銀はどこかの傘下になったり、年収が大幅に減ったりする未来が近づいています。すでに一部で起きていましね、、

大半の地方銀行が将来性が無い!、オワコンだと言われる理由は次の通りです。

  • 預金:ネット銀行に移行する
  • 新規先への融資:フィンテック系のサービスに移行する
  • 既存先への融資:低金利時代が続く
  • 決済:IT系の決済サービスが主流になる
  • 預貸率が低く、余剰資金を運用で賄っている危うさがある
  • 大企業や海外日系・非日系向けの融資が少ない
  • 海外進出する余力が無い

それでは、詳しく解説していきます。

預金:ネット銀行に移行する

地方銀行の預金の役割は、オワコンです。

なぜなら、ネット銀行の方が預金利回りが良いため、地方銀行に預金する必要がないから(普通預金金利は下記の通り)。

  • ネット銀行:0.05~0.2%
  • 地方銀行:0.001%

最初はネット銀行に戸惑いはあるかもしれませんが、ネット銀行には敵いません。僕も最近みずほからほぼ楽天銀行に移しました…

確かにこれだと、ネット銀行にしますよね…。

ただ、銀行としてはカネ余りの状況なので、個人の預金が集まらず困ることは
当面は無いですが、役割としてオワコンと言うことですね。

新規先への融資:フィンテック系のサービスに移行する

銀行の審査機能は、思考停止しており新規先への融資には非常に消極的です。

その理由は2つです。

  • 残業時間が削減される中、全く儲からない新規先への融資は面倒なだけ
  • 中小企業の新規先に対しては、ほぼ100%の確率で保証協会付きの融資(銀行内の審査が緩くなる)を勧める

前職で、銀行と中小企業の間に入って資金調達の相談を受けていたいのですが、銀行は会社の内容を聞かずにほぼ100%の確率で保証協会付きの融資を提案してきます。

そうなんですね…。

保証協会の審査が、ダメだった瞬間に銀行の担当はやる気を失います…。上司からそのようにしつけられているので、担当者はそれを忠実に守っているだけなんですが。

銀行融資よりも手数料を取られますが、お客様がクラウドファクタリング・クラウドファンディングなどのフィンテック系のサービスに流れてしまうのは必然です。

フィンテック系でもこんな面白いサービスも…

OLTAという国内初のクラウドファクタリングを提供する会社です。

クラウドファンディングは、CAMPFIREを中心に有名になりましたが、クラウドファクタリングは初めて聞きましたね。

ファクタリングとは、お持ちの「入金待ちの請求書」(売掛金)を売却して、早期に運転資金を調達する「借りない資金調達」です。

OLTAのクラウドファクタリングなら個人・法人どなたでもご利用いただけて、買取金額に上限も下限も設定していません。さらに、お客様の取引先に知られることなくすべてのやりとりが完了します。

出典:OLTA株式会社

このスピード感と対応力には銀行は敵いませんね。

今回のコロナショックでも影響が…

銀行の審査機能がいかに画一的で、思考停止しているかが証明されたニュースがありましたね。

担当者は保証協会でしかダメだというようにしつけられてきているから、こういうことに対応するのは無理ですね。堅い銀行はね。

さらにスタートアップとの関係が希薄になりますね。

スタートアップの生きるか死ぬかみたいな方と、銀行の担当の温度差は相当なものがありますから。仮に担当が良くても、上司・審査部を説得する術がないですし…。

既存先への融資:低金利時代が続く

黒田バズーカによるゼロ金利政策の影響は、かなり銀行を痛めつけています。

なぜなら、融資の金利が下がり、中小企業に対しても0%台の融資が普通になっているから。

ちなみに、地銀トップの横浜銀行ですら貸出金の平均利回りが15年下期の1.27%から18年下期には1.05%に減少しています。

地銀トップ横浜銀行の銀行員でも今後年収が上がらない4つの理由でも触れていますが、結果的にはトップでも厳しい状況が続いています。

これから過去の高い金利分が無くなってくるので、さらに下がるでしょう。

つまり、地方銀行は融資をしても全く儲からないので、融資をする意味が無くなってきているのです。

むしろ人件費などのコストの方が高くて、赤字続きの地銀が増えているのです。

決済:IT系の決済サービスが主流になる

ネット銀行での振込&フィンテック系の決済サービスが主流(なので、窓口業務も大幅に縮小して不要に…)になります。

なぜなら、安い・早い・使いやすいの3拍子がそろっているから。

  • 預金が金利の高いネット銀行に移行する→振り込みもわざわざ地方銀行を通さない
  • BtoCは、フィンテック系の決済サービスに移行している
  • BtoBも、これから大幅にフィンテック系の決済サービスに移行していく

つまり、地方銀行は決済機能でも不要になるわけです。

こんな決済の会社も…

東証1部上場のラクーンHDが運営するBtoB掛売り決済サービス「Paid」です。

業界・業種を問わず掛売り取引を可能にし、与信管理から代金回収まで掛売りで発生する請求業務をすべて代行。さらに取引先が未払いだった場合も、代金を100%お支払いします。

業界トップクラスの低料率を実現。さらに、初期費用・月額費用などの固定費もかかりません。

出典:PaidのHP

BtoB決済も大手・中小含め参入が激しいので、地方銀行の存在感がますます薄くなります。

であればこれを活用するしかない

銀行業界では、それなりに盛り上がっているニュースですね。

投資余力がある内に、フィンテック系の会社に出資するしかないです。

預貸率が低く、余剰資金を運用で賄っている危うさがある

地方銀行の預貸率(貸出金÷預金)は6~8割程度で推移しており、預金の行き場が無く外債・株式・投資信託などの運用に回さざるを得ない状況が続いています。

その運用の結果、このようなことが起きています。

  • 池田泉州銀行:2017年3月期に約131億円の巨額損失を計上
  • 静岡銀行:2017年3月期に約370億円の巨額損失を計上
  • 佐賀銀行:2017年3月期に約10億円の売却損を計上
  • 東邦銀行:2019年3月期に69億円の売却損を計上

今後も相場の変動次第では、巨額損失を計上する可能性があります。

62行の純利益は前期比3.5%減の5885億円。笹島氏は、新型コロナ感染拡大に伴う市場の混乱で株式関係の損益が悪化したことが主因と分析した。21年3月期は41行が減益を予想する。

出典:時事ドットコム「地銀決算「非常に厳しい」 無利子融資、45億円実行―笹島協会長」

これからさらに厳しくなりますね。

大企業や海外日系・非日系向けの取引が少ない

ほぼ儲からない協調融資への参加ぐらいしかなく、複合的なサービスはメガバンク(メガバンクも間接的なリストラを開始⁈)や優良地銀に全く敵いません。

なぜなら、海外に拠点が無く、海外での取引を拡げるための調査・実行部隊がいないから。

悪い言い方をすると、メガバンクが手数料を吸い取った後のものを請け負うだけの1次・2次下請けのようなイメージです。

結果として、大企業や海外向けはシローンの一部に少額で参加したりするぐらいで、儲からないです。

海外進出する余力が無い

政府系金融機関と連携をして、地元企業の海外支援をする取り組みも拡大していますが、稼ぎ頭にできるほどお金を出す体力はありません。

以上より、優良地方銀行以外は、近い将来大半がオワコンと言えるでしょう。

地方銀行がオワコンとならないための取り組み

【残念ながら】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

このままでは大半の地方銀行がオワコンですので、どうすれば地方銀行がなくならずに済むのか?

余談ですが、個人的には一番は経営のプロを外部から集めてくるのが良いと思っています。

なぜなら、銀行からの成り上がりand旧大蔵省などの甘下りは経営のプロではないし、柔軟な発想も少ないので。

余談はここら辺にしまして、下記のような取り組みを急務に進める必要があります。

  • 個人は富裕層、法人は優良企業に集中、行員の人数も大幅に半減
  • 現在100超ある地方銀行を10行程度に統合し、第4・第5のメガバンクへ
  • 勢いのある異業種企業の傘下or連携を深める

極端ですが、このぐらいのことを数年以内にやらないと、生き残れないでしょう。

個人は富裕層、法人は優良企業に集中、行員の人数も大幅に半減

理由は下記の通り3つです。

  • 富裕層の個人や既存の優良企業以外は手間がかかるだけで費用対効果が悪い
  • MUFGやSMBCなどのメガバンクも個人は費用対効果の大きい富裕層に注力している
  • 3メガバンクも、儲かっているのは優良企業である大企業や海外日系・非日系企業である。地方銀行は地元の優良企業のみに特化すべき

2022年度までの3年間で、三井住友銀行の国内店舗の約7割に当たる300店について、資産運用など個人コンサルティング業務に重点を置く「軽量店舗」にする計画を発表した。これにより計2200人分の業務量を削減し、経営効率化を加速する。

出典:時事ドットコム「三井住友銀、3年で300店「軽量化」 資産運用相談に重点」

地場の富裕層に対しては、地方銀行の方がメガバンクよりも昔からのつながりは強いだろうし、取引はもっと拡大できるはず。

法人(銀行の法人営業って⁈)は大企業や海外でなくても、地方にも優良企業が沢山あるので、とにかくそこにフォーカスすべきです。

お客様をある程度絞ることになるので、不満は溜まりますが、手数料を払おうとしないお客様は今まで以上にネット銀行やIT系サービスに誘導する必要があります。

現在100超ある地方銀行を1桁行に統合し、第4・第5メガバンクへ

すでに金融庁主導で地方銀行の再編が始まっていますが、スピード感をもって再編を進める必要があります。

なぜなら、スピードの早いIT業界などの異業種も参入してきているから。

ちなみに、現在の再編の動きは以下の通りです。

  • コンコルディアFG:横浜銀行・東日本銀行
  • ふくおかFG:福岡銀行・熊本銀行・親和銀行・十八銀行
  • めぶきFG:常陽銀行・足利銀行
  • ほくほくFG:北陸銀行・北海道銀行
  • 関西みらいFG:近畿大阪銀行・みなと銀行・関西アーバン銀行

ただ、地方銀行の上位グループでもメガバンクの総資産規模と比較すると10分の1程度であるため、10行以上が統合しない限り、勝ち目はないです。

勢いのある異業種の傘下or連携を深める

ご存知の通り、すでに下記のような動きが始まっています。

SBIグループは凄いですね。この前北尾社長の講演に参加しましたが、結構ユーモアあって面白い方でしたね。さすが孫正義に認められた男って感じで。

すでに島根銀行や福島銀行、筑邦銀行、清水銀行への出資を発表していて、最終的に10行程度がこの地銀連合に参加すると想定しているので、淘汰されていきますね、

また、ノジマのニュースもビックリでした。

スルガ銀行に20%弱出資し、金融とインターネット、金融と物販のシナジーを出すという構想を展開していいますし、他の地銀も呑みこむかもしれませんね、

今後もこのような異業種の傘下に入ったり、連携を深めたりしていくことが生き残る手段ですね。

【まとめ】大半の地方銀行は未来が無い、、

【残念ながら】大半の地方銀行がオワコンである7つの理由

今回の記事をまとめるとこのような感じです。

  • 大半の地方銀行には将来性が無い
  • 低金利時代に融資をしても儲からないため、資産運用に手を出し、損を計上する銀行が増加
  • 海外に進出する余力も無く、国内の銀行3大業務も異業種に奪われるので、まさにオワコン状態
  • 今後は再編か異業種との連携が不可欠

ここまで見てきましたが、中堅以下の地方銀行は結構厳しい状況が続きますので、個人的には銀行ならメガバンクor大手地銀、それ以外の業界をおすすめします。

なので、銀行員志望の方は、大手以外の銀行への就職・転職をおすすめしない4つの理由にもまとめていますが、大手orメガバンクor他の業界にしましょう。

2023年2月からサトルライフ再始動!ということでブログだけではなく、YouTubeも始めました。銀行員生活にモヤモヤしている方、銀行での試験勉強から一息つきたい方、銀行から転職したい方向けに、好きなことをたまに話しています。