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全4話で銀行員生活をリアルにお届けしています。
Part3では、1店舗目の暗黒の時代~復活までの流れをリアルにお伝えしていきます。
1.ついに担当先を持つ
2年目以降は、一言でまとめると、試練の日々が続きます。心もだいぶすり減らして、半分鬱状態にもなりました…。
2年目になると、先輩からいくつか取引先を引き継ぎ、ついに自身の担当先を持ち、本域である法人営業のお仕事がスタートしたのです。
もちろん、個人の業績目標も与えられることに。
まずは新人らしく、とにかく行動して、担当先に気に入られるために、ひたすら訪問、訪問、訪問…
その甲斐あって、お客さんとは徐々に仲良くなることができました。
が、現実は甘くはなく契約は全くとれません。
支店にもう一人総合職で入行した同期が小さな案件ながら契約をとる中で、自分は契約がとれずやきもきした日々が続きます。
あの先輩は、そこまでがつがつ営業をしているわけではないし、自分も先輩と同じような感じで進めているはずなんだけどなあ。なんで契約取れないのかなあ。
漠然とした焦りと不安を抱えながら、時間だけが無情にも過ぎていきます…。
2.初の融資契約獲得!
なかなか契約が取れずに悩む日々でしたが、ついにその時はやってきました。
2年目の夏に入る前ぐらいです。
当時、他の銀行も合わせて注力していた「保証協会付き融資」の契約を、とある取引先と初めて結ぶことができたのです。
融資金額は7百万円。
この時の記憶は、忘れないでしょう。
自分で何とか拙い交渉をしつつ、もぎとった1件だったので、金額は決して大きくはありませんが、自分にとっては価値のある1件に変わりはないです。
3.重くなっていく責任
支店の営業担当者には、個人の目標だけでなく、本部が与えてくる目標に対して項目ごとに支店内で推進責任者が割り当てられます。
例えば、このような感じです。
- 貸出額
- 保証協会付き貸出額
- 運用などの収益額
- (カードローン・保険などの)件数
- 為替関連
ある程度の規模の支店であれば、法人の営業担当が10名以上いるので、ほぼ一人ずつ何かしらの推進責任者につきます。
そして、その項目については半期で支店全体の目標達成をするためにどうするのか、支店長席と進め方・進捗報告をしていきます。
簡単に言うと、その項目についての上席からの詰められ役というわけですね。
支店内で重視している項目を担当するほど、責任も重くなるし、詰められやすくなるのです。
そんな中で、2年目の僕は光栄なことに負荷が重くて重要度も高い、「保証協会付き貸出額」の推進責任者に抜擢されました。
与えられた役割を果たすべく自分なりに奔走していたのですが、物事はそんなにうまく運ばず…
なかなか数字を伸ばせない日々。
そんな僕に対して、上司たちは日に日に厳しくなっていきます。
4.辛すぎた日々…
毎週火曜日の朝9時。
上司からのこういったツメは、回を追うごとにエスカレートしていきます。
やる意味があるのかわからない、ただひたすら上司たちからツメられるだけの会議が、毎週火曜日の朝に1時間程開かれていました。
僕1人に対して、ツメてくるのは5人の上司です。
支店長・副支店長・その他上席2人…そして、僕としては味方に付いてほしかった、課長も段々とあちら側に…
表だって課長に指示された通りに作って出しているのに、課長は副支店長に反論しないし…。何で僕だけが一方的に言われなくちゃいけないんだよ…。
毎週火曜日の会議が終わると、支店内の営業担当者を一人一人回って、
何とか保証協会付きの融資をお願いします。支店長席からのプレッシャーが半端ないので…なんとか…お願いします。
とはいえ、前期にだいぶやっちゃったし、もうできる先無いよ。自分はどうなの⁈
あまり出来てないですね。
でしょー。当然目標分頑張るけどさあ、他の人に当たってよ。
という、社外の営業ではなく、社内営業が中心になっていました…。
こんな地獄の会議・社内営業が約半年間続きました。
結果、僕の心はボロボロに。
真剣にそんなことを考えていました。ほぼ鬱状態。
いや、鬱かもしれない。
土日に合う大学の友人には、「お前大丈夫か、ちょっと最近お前おかしくないか⁈」と心配される始末…
これは鬱ですね…
5.3年目に地獄のトンネルを抜ける
毎週火曜日の会議に限った話ではなく、2年目はとにかく大変でした。
わからないことだらけでも、とにかく契約はとって、実績は出さなければいけないのだと。
暗いトンネルの中を、闇雲に駆け回っているようでした。
それでも、辛すぎる日々を耐え抜き、耐え抜き、耐え抜き続けた結果、3年目の後半頃になって、ようやく明るい兆しが見えてきました。
その頃になってようやく銀行・支店での仕事にも慣れてきて、ある程度のことはスムーズに出来るようになってきました。
そのため、事務作業に無駄な時間を費やすことも無くなり、上司から詰められない逃げ方も身に付けたりして、個人の営業活動にも時間を割くことが出来るようになってきました。
結果として、徐々に個人の実績も出せるようになり、今までぼこぼこにされていた上司の見方も変わってきて、少しずつ頼られるようになってきました。
1年前とは大違いです。
さらに、2年目の辛い日々を乗り越えた僕には、大抵のことではへこたれない強靭なメンタルが備わってきました。
6.抱き始めた「銀行員の仕事」への疑念
ただ、徐々に銀行の仕事に慣れてくると同時に、疑念も抱き始めるようになっていました。
それは、比較的簡単に達成できる件数ものの商品やサービスを販売している時のことです。
果たしてこれらの商品やサービスがお客さんにメリットがあるのか…。
社内で販売して来いと言われるがままに、関係が良好なお客さんに提案して契約するといった感じで、お客さん目線の提案になっているのか定かではありません。
そのようなことを考える余裕もないぐらい、気持ちに余裕も無いし、時間も無いしという感じ。
一番は上司に怒られたくないという気持ちが強いです。
そんな疑念を、いつからか心の奥底に抱くようになりました。
このような疑念を抱えつつ営業活動をしている同僚は、周りにも沢山いましたし、その方が多勢という感じで、自分たちの仕事に少し悲しくもなりました。
7.そして異動の辞令が…
もうすっかり仕事が板についてきた折、ついに異動辞令が出ました。
大抵、慣れてきて今年こそ実績を出せそうだというタイミングで異動の辞令が出ることが多いです。
金融庁との関係もあり、不正防止の観点から異動が定期的にあるのは致し方ないのですが、
2年目の時は「支店に隕石落ちろ」なんて思っていた僕が、そんな風に思えるくらいになっていました。
人間って不思議ですね。この支店は居心地がいいなあと思い始めていた矢先なのに。銀行員はそういう宿命です。
そんなわけで、僕の1カ店目での銀行員生活が幕を閉じたのでした。
さて、初めての転勤、初めての地方生活、初めての一人暮らし、初めて尽くしの生活が2カ店目で始まります。
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2023年2月からサトルライフ再始動!ということでブログだけではなく、YouTubeも始めました。銀行員生活にモヤモヤしている方、銀行での試験勉強から一息つきたい方、銀行から転職したい方向けに、好きなことをたまに話しています。