みずほ銀行の年収はどうなの?
年収1,000万はもらえるのかな。
支店長になったらどのくらいの年収になるのかなあ。
こんにちは、月間2万人が閲覧する『サトルライフ』を運営しているサトルです。そんなお悩みや疑問にお答えしますので、是非ゆっくりと見ていってください。
僕自身は、みずほFG(中堅中小・大企業・ファンド営業)→M&A仲介→資産運用系ベンチャー→Web制作・Webメディア構築の個人事業主といった決してマネしないであろう道を進んでいます。
ここでは、これらの内容を解説していきます。
- みずほ銀行の初任給
- 有価証券報告書の平均年収は当てにならない
- みずほ銀行の現状の年収推移
- みずほ銀行でも年収が上がらない理由
みずほ銀行での経験、みずほ銀行・みずほFGのIR資料を基に解説していきます。
みずほ銀行の銀行員、これからみずほFGに転職・就職しようと考えている方は、是非ご覧ください。
この記事を読むことで、毎年3番手のみずほ銀行で働いても年収UPが見込めないという現実が見えてきます。
【メガバンクを辞めたい?】みずほ銀行を辞めて良かった30のこと
みずほ銀行の初任給
みずほFGのHPから抜粋すると初任給は以下の通りです。
- 総合職:大学院卒は230,000円、大卒は205,000円
- 一般職:大卒は195,000円、短大卒・専門学校卒は175,000円
ここから、総合職をボーナス3ヶ月分、一般職をボーナス2ヶ月分(将来的にボーナスはどのくらいもらえるの⁈)と仮定すると年収は以下の通りです。
- 総合職:大学院卒は345万円、大卒は308万円
- 一般職:大卒は273万円、短大卒・専門学校卒は245万円
となります。
メガバンクといえど、1年目の銀行員は薄給です。
有価証券報告書の平均年収は当てにならない
それは、様々な業種の年収が合算されて平均を出されているから。
みずほ銀行に所属していた時の話をすると、総合職であれば、30歳で残業代込(月間30~40時間)で年収900~1,000万円でした。
ちなみに、みずほ銀行の有価証券報告書によると、以下の通りです。
- 2018年:738万円(37.5歳)
- 2019年:737万円(37.7歳)
- 2020年:736万円(38.2歳)
なので、いかに有価証券報告書の平均年収が当てにならないか分かると思います。
感覚的には、30代後半であれば職種によって以下の通りと認識しておいた方が良いと思います(支店長の年収は⁈)。
- 総合職:有価証券報告書の平均年収+300~500万円
- 一般職:有価証券報告書の平均年収-100~200万円
みずほ銀行の現状の年収推移
これは、実体験によるものなので、特に総合職については信ぴょう性MAXです。
では、下記の2つに分けて解説していきます。
- 総合職
- 一般職
では、ご覧ください。
総合職
残業時間にもよるので、多少ぶれますが、総合職で残業30時間/月で記載したいと思います。
ちなみに、8年目以降は役職に応じて、大きく差が生じます。
- 1年目:300万円
- 2~3年目:400~500万円
- 4~5年目:550~700万円
- 6~7年目:750~900万円
- 8~9年目:900~1,100万円
- 10~11年目:900~1,200万円
- 課長レベル(10年目以上):1,100~1,300万円
- 副支店長レベル:1,200~1,400万円
- 支店長レベル:1,500~1,900万円
総合商社や証券会社よりは見劣りしますが、30歳で年収1,000万円超となる人が2~3割程度いるので、かなり高い方でしょう。
一般職
正直一般職は責任が重くなる割には、あまり年収が上がらないのがネックですが、他の会社の一般職と比べると高い方です。
- 1年目:270万円
- その後ほぼ皆一律に昇格し、毎年10~20万円増加
- 20代:300~500万円
- 30代:400~600万円
大半の一般職は20代で退職していますが。
また、最近は一般職の採用をほぼせず、総合職の採用のみとなっているようです。
【就職面接用】メガバンクとは?歴史~2020年のデータまで徹底比較
みずほ銀行でも年収が上がらない理由
みずほ銀行を傘下に置くみずほFGで検討したところ、理由は以下の通りです(今後の銀行業界で間違いなく起きることとは⁈)。
- 株主の要求は株価上昇←継続的な増益が求められるが困難である
- 従業員対比で利益が下落傾向にある
- 一番人員と人件費を割くリテール事業が全く儲かっていない
- 人員削減が一番早い経費削減手段である
では、詳しく解説していきます。
株主の要求は株価上昇←継続的な増益が求められるが困難である
会社の持ち主である株主が求めているのは株価上昇で、安定した増益が欠かせないのです。
なぜなら、株主はキャピタルゲインを求めているので。
下のMHFGの業績を見るときれいに減益傾向にあります。2020/03期は、2019/03期の大型減損もあり増益となりましたが、2018/03期と比較すると大幅な減益着地。
この状況で、従業員に給料上げて人件費増えるよーって、株主に言ったら…。
株主側は利益増やしてから言ってくれとなりますね。
従業員対比で利益が下落傾向である
もう一度この表を見てもらうと、従業員対比の当期純利益が徐々に下落しているのが読み取れます。
言葉を悪くすると、従業員一人一人がお荷物になってきちゃっているということですね…
メガバンクのみずほも厳しいんですね。
むしろ、僕が経営者であれば、何とかして賃金カーブをなだらかにしたり、年金を減らしたりして、利益を上げたい・株価を上げたいと考えますね。
一番人員と人件費を割く事業が全く儲かっていない
下記表をご覧ください。
支店数を減らし構造改革中ですが、メガバンクともなると規模が大きすぎるがゆえに、動きも遅いです。
みずほフィナンシャルグループは5月15日に2019年度決算を発表。19年度下期から店舗再編を本格させており、19年度にはグループの38拠点(店舗ではなく拠点)を削減しているが、24年度に130拠点の削減を削減する計画だ。
出典:coindesk「三菱UFJ銀、店舗を40%削減へ 三井住友・みずほFGもデジタルで拠点コスト削減図る」
リテール事業で以前から壊滅的な状態です。外資系であれば早く切り離している状況です。
確かにこの状態を見ると、早く削減しないと足引っ張りまくりですね。
左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】
一番人員と人件費を割くリテール事業が全く儲かっていない
売上が伸びないとすると、経費を削減するしかないです。
その経費の中でも、カットしやすいのが、人員削減などの人件費です。
なぜなら、数万人の銀行員がいる中で、1万人の40代の銀行員をカットするだけで、年間1,000億超(=年収1,000万円超×1万人)のコストカットになるから。
売上が伸びて利益が減少しているのであれば、人員・人件費カットが避けられません(出向も早まりそうです…)。
以上4点から、年収UPは残念ながら現時点ではかなりきついですね。
メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画
出世コース以外の銀行員は厳しい現状が…
僕は一部の出世コース以外の銀行員の方は、日に日にリスクが高まっていると考えています。
なぜなら、業績が厳しい業界はいずれ淘汰されるからです。
まさか航空業界や鉄道業界がここまで苦境に陥るなんて誰も思っていなかったし、5年前までは銀行業界もここまで苦しくなるとは思われていませんでした。
が、現実に厳しくなってきています。
これからはよくある年収1,000万円という勝ち組の称号が得にくくなるはずです。特にこれから就職する方やまだ20代の方は、、
そうなんですか?
某メガバンクでも、今までのような一律の昇格を実際に見送ったりして、賃金カーブをなだらかにしようとしています。一旦上げてしまうと下げにくいので。つまり若手にとっては相当厳しい時代になりました。
厳しいですね。
ただ、上も安泰ではなく裁量労働(残業無制限)の激務を迫られるか、出世コース以外は早めの出向or窓際部署への異動の可能性が高くなります。つまり、出世コース以外は超激務の年収1,000万円か、そもそも到達しないかという感じになります。
前述の給料が上がらない理由は数字面で見た事実になりますが、これからは実際にメガバンクや地方銀行で起きている現実の動きを挙げたいと思います。
- 年金削減
- 人材紹介サービス
- 部門ごと切り離し
- 本部の管理部門から営業部門への異動
- 支店の上のポストを削減
それでは、簡単にまとめていきます。
年金削減
かなり衝撃的なニュースがありました。
3番手のみずほは結構きついですね。相変わらず…
年金減額の対象は傘下のみずほ銀行、みずほ信託銀行の約3万5000人のうち53歳以下の社員。一方で、48~53歳の社員が2020年度中に会社を辞めた場合は減額しない「特例」も設けるという。
出典:Business Journal「みずほFG、現役行員の年金「一律減額」の大ナタ…バブル入行組の人員削減に実質着手」
結構大胆なことしますよね。相当早く辞めてほしいんですね。
これから他のメガバンクや地銀でも十分にあり得る話です。
人材紹介サービス
金融庁が2018年に銀行の業務範囲を緩和して、地銀や信金中心に人材紹介業にスタートしました。
人材紹介手数料も入るし、取引先との関係も良くなるから。ついにメガバンクでも三井住友銀行が人材紹介業に参入しましたね。
三井住友銀行は人材紹介業に参入する。4月1日付でヒューマン・インベントリー(東京・千代田)の発行済み株式をすべて取得し、会社名を「SMBCヒューマン・キャリア」に改める。メガ銀行が人材紹介業に参入するのは初。
出典:Genius「三井住友銀が人材紹介業 メガ銀初」
今のところ各銀行も否定していますが、20代であろうが、30代であろうが2・3年後に出向という名の転籍も全然あり得るでしょう。
部門ごと切り離し
メガバンクでは、聞きませんが、他の金融機関や大手電機・自動車メーカーではこのような話を聞いています。
- 損保ジャパン日本興亜:2019年6月にIT活用による業務効率化で浮いた人材(全従業員の15%)を買収したワタミの介護事業に回す上に、希望退職を受け付けないので、退職する場合は自己都合ということで、退職金も大幅に減額されるという発表
- 超大手自動車メーカーA社:グループの部品メーカーB社と同様の部品を製造するA社工場があり、そのA社工場の社員1万人弱が強制的にB社に転籍させられ、賃金カーブもB社と同様にさせられる
- 超大手電機メーカーC社:とあるD事業部の業績が悪く、切り離して子会社となり、賃金カーブも変更
このような半分左遷ともとられかねない内容については、左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】でまとめています。
左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】
本部の管理部門から営業部門への異動
すでに三菱で公表済みですが、RPA+AIにより本部の業務を削減し、約3,000名の管理部門の人員を削減し、営業部門に配置転換させる予定です。
これは富士通でも同様の手法をとっていて、5,000名のうち2,850名が早期退職したようです。営業経験の浅い人間を営業に回し、嫌なら自主退職すればという内容です。
支店の上のポストを削減
これは、現実にメガバンクでも起きていますが、下記のように支店長・副支店長ポスト激減しています。
- 総合店舗(小さめ)→総合店舗(大きめ)に支店長・副支店長・法人部門が集約
- 個人店舗や総合店舗(小さめ)→複数店舗を一人の支店長が見る
これは、昨年からメガバンクを中心にすでに起きている話で、上のポストが無いので…こうなります。
- 支店長・副支店長の大半が出向
- 課長・次長が上に上がれないため詰まる
- 課長・次長候補が上に上がれない
- 不満が溜まるが、ポストが上がらないので、給料は全然上がらない(もしろボーナス・残業代が減り、年収が下がる)
みずほの同僚と話をしていても、若手で左遷されている人が増えてきているし、他メガバンクでもポストが無いため、昇格の遅れが目立ちます。
メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画にもまとめています。
メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画
【まとめ】みずほ銀行の出世コース以外は結構厳しい…
今回の記事をまとめるとこんな感じです。
- 今後もみずほ銀行の銀行員の年収は上がらない
- みずほ銀行の超出世コース以外の方に、未来は…
- 若手にとっては出世コース以外は厳しい現状が、、完全に実力社会になる
結構厳し目に書いたのですが、別に銀行批判をしたいわけでは無いです。元々の古巣の業界には元気でいてほしいので。
現役の銀行員向けに作った記事ですが、別業界を考える方には銀行員の転職先ランキング【失敗しない転職先はこれだ!】にまとめたています。
【メガバンクを辞めたい?】みずほ銀行を辞めて良かった30のこと
2023年2月からサトルライフ再始動!ということでブログだけではなく、YouTubeも始めました。銀行員生活にモヤモヤしている方、銀行での試験勉強から一息つきたい方、銀行から転職したい方向けに、好きなことをたまに話しています。