三井住友信託銀行の年収はどうなの?
年収1,000万はもらえるのかな。
支店長になったらどのくらいの年収になるのかなあ。
こんにちは、月間2万人が閲覧する『サトルライフ』を運営しているサトルです。そんなお悩みや疑問にお答えしますので、是非ゆっくりと見ていってください。
僕自身は、みずほFG(中堅中小・大企業・ファンド営業)→M&A仲介→資産運用系ベンチャー→Web制作・Webメディア構築の個人事業主といった決してマネしないであろう道を進んでいます。
ここでは、これらの内容を解説していきます。
- 三井住友信託銀行の初任給
- 三井住友信託銀行の年収・ボーナス推移(初任給~平行員~支店長~頭取)
- 三井住友信託銀行の今後の年収
三井住友信託銀行の先輩の話、三井住友トラストHDのIR資料を基に解説していきます。
- 三井住友信託銀行志望の方
- 銀行業界に就職・転職しようとしている方
2023年2月からサトルライフ再始動!ということでブログだけではなく、YouTubeも始めました。銀行員生活にモヤモヤしている方、銀行での試験勉強から一息つきたい方、銀行から転職したい方向けに、好きなことをたまに話しています。
三井住友信託銀行の初任給
三井住友信託銀行のHPから抜粋すると初任給は以下の通りです。
- Gコース(全国転勤型):院卒は235,000円,大卒は210,000円
- Aコース(地域限定型):院卒は235,000円,大卒は210,000円
ここから、ボーナス3ヶ月分(将来的に銀行員はどのくらいボーナスをもらえるの⁈)と仮定すると年収は以下の通りです。
- Gコース(全国転勤型):院卒は353万円,大卒は315万円
- Aコース(地域限定型):院卒は353万円,大卒は315万円
となります。
最大手の信託銀行といえど、1年目の銀行員は薄給です。
三井住友信託銀行の年収・ボーナス推移(初任給~平行員~支店長~頭取)
三井住友信託銀行の有価証券報告書によると、平均年収は以下の通りです。
- 2018年:696万円(42.7歳)
- 2019年:729万円(38.6歳)
- 2020年:734万円(38.6歳)
有価証券報告書の平均には、事務職と総合職(Aコース・Gコース)が混じっていますし、あまり当てになりません。
これから入る方は全て総合職だと思いますので、総合職の年収推移は、このような感じしょう。
総合職 | 月額給料 | ボーナス | 年収 |
---|---|---|---|
1年目 | 24 | 50~60 | 300 |
20代後半 | 50 | 100~150 | 750 |
30代前半 | 60~70 | 150~250 | 800~1,100 |
30代後半 | 65~75 | 200~300 | 900~1,100 |
課長・副支店長 | 70~80 | 300~600 | 1,100~1,400 |
支店長 | 70~90 | 400~700 | 1,400~1,800 |
頭取・社長 | – | – | 1億超超 |
また、自分自身の銀行員生活を振り返るとこんな感じだったなというのを、漫画にまとめましたので、年収の推移と合わせて銀行員生活がどんな感じなのか伝わればよいなと思います。
【銀行員生活Part1】入社式・同期との絆が深まった新入社員研修
三井住友信託銀行の銀行員も年収が下がる可能性が高い4つの理由
三井住友信託銀行を傘下に置く三井住友トラストHDで検討したところ、理由は以下の通りです(今後の銀行業界で間違いなく起きること)。
- 株主の要求は株価上昇←継続的な増益が求められるが困難である
- 従業員対比で利益が低空飛行で推移
- 信託ビジネスで今後大きく伸びる要素が少ない
- 人員削減が一番早い経費削減手段
では、詳しく解説していきます。
株主の要求は株価上昇←継続的な増益が求められるが困難である
会社の持ち主である株主が求めているのは株価上昇で、安定した増益が欠かせないのです。
なぜなら、株主はキャピタルゲインを求めているので。
ただ、三井住友トラストHDの業績を見るとほぼ横ばいですね。
この状況で、従業員に給料上げて人件費増えるよーって、株主に言ったら…。
株主側からすると利益出して株価上げてくれって言いますね…。
従業員対比で利益が低空飛行で推移
もう一度この表を見てもらうと、従業員対比の当期純利益がッ横ばいで推移しているのが読み取れます。
つまり会社全体としては、なんとか維持しているという感じですね…
下のみずほと比較してみても、低い状況が続いているのが分かります。
みずほですらベア見送りが続く中で、経営側としては人件費を上げるのはかなりきついでしょう。
左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】
信託ビジネスで今後大きく伸びる要素が少ない
年金・証券代行関連の手数料は下がる一方だし、不動産仲介フィーはSMBC信託銀行の本格的な参入でさらに競争が激しくなるので。
また、不動産自体の取引が現時点でピークを迎えており、今後大きく伸ばすには新規ビジネスを展開するぐらいしかないです。
ただ、これも3メガバンクやIT企業との激しい競争が待ち受けます…
なかなか次の一手が見当たりません。
金融庁が収益源を増やすように報道があったけど⁈
この内容です。
銀行は現在、企業に5%まで、銀行の持ち株会社は15%までしか出資できないように規制されています。
金融庁は、規制緩和でフィンテック企業や地域の特産品などを販売する地域商社に対しては、一定の条件を満たせば、届け出だけで制限なく出資できるようにして銀行の収益源の多様化を図るねらいです。
出典:NHKニュース「銀行の収益源増加へ 出資の規制緩和を検討 金融庁」
このニュースは久しぶりに少し明るいニュースですね。地方を中心にこれで活性化すれば、その恩恵が地銀にも返ってきますしね。
これで、この出資した会社にとばされることはありませんか⁈
あるでしょうね。ただ、ホットな話題の最前線で仕事ができるわけですし、若手なら前向きな話じゃないですか。色んな経験が出来るわけだし、僕であれば逆に飛びつきますね。
人員削減が一番早い経費削減手段
売上が伸びないとすると、経費を削減するしかないです。
その経費の中でも、カットしやすいのが、人員削減などの人件費です。
なぜなら、数万人の銀行員がいる中で、5千人の40代の銀行員をカットするだけで、年間500億超(=年収1,000万円超×5千人)のコストカットになるから。
つまり、貸出金利息が伸びず、役務取引等収益も伸びないとなると、人員削減は避けられません(出向も早まりそうです…)。
以上4点から、年収UPは残念ながら現時点ではかなりきついですね。
銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】
出世コース以外の銀行員は年収1,000万円も厳しい現状が…
僕は一部の出世コース以外の銀行員の方は、日に日にリスクが高まっていると考えています。
なぜなら、業績が厳しい業界はいずれ淘汰されるからです。
まさか航空業界や鉄道業界がここまで苦境に陥るなんて誰も思っていなかったし、5年前までは銀行業界もここまで苦しくなるとは思われていませんでした。
が、現実に厳しくなってきています。
これからはよくある年収1,000万円という勝ち組の称号が得にくくなるはずです。特にこれから就職する方やまだ20代の方は、、
そうなんですか?
某メガバンクでも、今までのような一律の昇格を実際に見送ったりして、賃金カーブをなだらかにしようとしています。一旦上げてしまうと下げにくいので。つまり若手にとっては相当厳しい時代になりました。
厳しいですね。
ただ、上も安泰ではなく裁量労働(残業無制限)の激務を迫られるか、出世コース以外は早めの出向or窓際部署への異動の可能性が高くなります。つまり、出世コース以外は超激務の年収1,000万円か、そもそも到達しないかという感じになります。
前述の給料が上がらない理由は数字面で見た事実になりますが、これからは実際にメガバンクや地方銀行で起きている現実の動きを挙げたいと思います。
- 年金削減
- 人材紹介サービス
- 部門ごと切り離し
- 本部の管理部門から営業部門への異動
- 支店の上のポストを削減
それでは、簡単にまとめていきます。
年金削減
かなり衝撃的なニュースがありました。
3番手のみずほは結構きついですね。相変わらず…
年金減額の対象は傘下のみずほ銀行、みずほ信託銀行の約3万5000人のうち53歳以下の社員。一方で、48~53歳の社員が2020年度中に会社を辞めた場合は減額しない「特例」も設けるという。
出典:Business Journal「みずほFG、現役行員の年金「一律減額」の大ナタ…バブル入行組の人員削減に実質着手」
結構大胆なことしますよね。相当早く辞めてほしいんですね。
これから他のメガバンクや地銀でも十分にあり得る話です。
銀行員でも退職金を当てにできない3つの理由【メガバンクも同様】
人材紹介サービス
金融庁が2018年に銀行の業務範囲を緩和して、地銀や信金中心に人材紹介業にスタートしました。
人材紹介手数料も入るし、取引先との関係も良くなるから。ついにメガバンクでも三井住友銀行が人材紹介業に参入しましたね。
三井住友銀行は人材紹介業に参入する。4月1日付でヒューマン・インベントリー(東京・千代田)の発行済み株式をすべて取得し、会社名を「SMBCヒューマン・キャリア」に改める。メガ銀行が人材紹介業に参入するのは初。
出典:Genius「三井住友銀が人材紹介業 メガ銀初」
今のところ各銀行も否定していますが、20代であろうが、30代であろうが2・3年後に出向という名の転籍も全然あり得るでしょう。
部門ごと切り離し
メガバンクでは、聞きませんが、他の金融機関や大手電機・自動車メーカーではこのような話を聞いています。
- 損保ジャパン日本興亜:2019年6月にIT活用による業務効率化で浮いた人材(全従業員の15%)を買収したワタミの介護事業に回す上に、希望退職を受け付けないので、退職する場合は自己都合ということで、退職金も大幅に減額されるという発表
- 超大手自動車メーカーA社:グループの部品メーカーB社と同様の部品を製造するA社工場があり、そのA社工場の社員1万人弱が強制的にB社に転籍させられ、賃金カーブもB社と同様にさせられる
- 超大手電機メーカーC社:とあるD事業部の業績が悪く、切り離して子会社となり、賃金カーブも変更
このような半分左遷ともとられかねない内容については、左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】でまとめています。
左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】
本部の管理部門から営業部門への異動
すでに三菱で公表済みですが、RPA+AIにより本部の業務を削減し、約3,000名の管理部門の人員を削減し、営業部門に配置転換させる予定です。
これは富士通でも同様の手法をとっていて、5,000名のうち2,850名が早期退職したようです。営業経験の浅い人間を営業に回し、嫌なら自主退職すればという内容です。
支店の上のポストを削減
これは、現実にメガバンクでも起きていますが、下記のように支店長・副支店長ポスト激減しています。
- 総合店舗(小さめ)→総合店舗(大きめ)に支店長・副支店長・法人部門が集約
- 個人店舗や総合店舗(小さめ)→複数店舗を一人の支店長が見る
これは、昨年からメガバンクを中心にすでに起きている話で、上のポストが無いので…こうなります。
- 支店長・副支店長の大半が出向
- 課長・次長が上に上がれないため詰まる
- 課長・次長候補が上に上がれない
- 不満が溜まるが、ポストが上がらないので、給料は全然上がらない(もしろボーナス・残業代が減り、年収が下がる)
みずほの同僚と話をしていても、若手で左遷されている人が増えてきているし、他メガバンクでもポストが無いため、昇格の遅れが目立ちます。
銀行員に向いてる人って?【元メガバンク銀行員はこう考える】
【まとめ】三井住友信託銀行の出世コース以外は結構厳しい…
今回の記事をまとめるとこんな感じです。
- 今後も三井住友信託銀行の銀行員の年収は上がらない
- 三井住友信託銀行の超出世コース以外の方に、未来は…
- 若手にとっては出世コース以外は年収1,000万円の達成も困難になる
結構厳し目に書いたのですが、別に銀行批判をしたいわけでは無いです。元々の古巣の業界には元気でいてほしいので。
三井住友信託銀行を辞めたい!「行内でも結構転職を考えていますよ。」