銀行員の出向の実態は?【元メガバンク銀行員が未来も語る】

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

50代になると出向させられると聞くので、出向の実態を知りたい。

50代で出向は不安、、給料はどうなるのかなあ。
出向=左遷なのかなあ。

こんにちは、月間2万人が閲覧する『サトルライフ』を運営しているサトルです。そんなお悩みや疑問にお答えしますので、是非ゆっくりと見ていってください。

僕自身は、みずほFG(中堅中小・大企業・ファンド営業)→M&A仲介→資産運用系ベンチャー→Web制作・Webメディア構築の個人事業主といった決してマネしないであろう道を進んでいます。

ここでは、これらの内容を解説します。

  • 銀行員の出向の実態
  • 出向する割合
  • なぜ銀行員が出向させられるのか
  • 出向後の給与
  • 今後の銀行業界の出向について
  • 出向を言い渡される前に出来ること

自分自身の経験、周りにいる銀行員仲間の話、ニュースを基にリアルな情報を中心にお答えします。

  • 銀行への就職・転職を検討している方
  • 銀行に少しでも関心のある方

この記事を読むことで、銀行員として働く際の将来的なイメージ、これからやるべきことが明確になります。

1.銀行員の出向の実態とは?

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

40歳後半から取引先への出向が一般的ですが、出向と言っても大きく分けて2種類あります。

  • 業務出向
  • 斡旋出向

それでは、銀行員の出向の実態を詳しく見ていきましょう。

1-1.業務出向

20代・30代の若手行員が対象で、出向先で経験を積み、2年程度で銀行に戻ってきて、キャリアアップに活かすケースが多いです。

最近も、元々一緒に働いていた優秀な後輩が事業会社に出向になっていまいたが、これはキャリアアップの出向と考えられます。

銀行の出世コースについては、メガバンク銀行員の出世コースとは⁈【出世する3つの方法も解説】でまとめています。

一方で、みずほ時代には、20代・30代でもグループ会社の窓際部署に2~3年出向させられている人も多数いました。感覚ですが、徐々に割合が増えている気がします…

どういう状況ですか⁈

残念ながら、出世はほぼあきらめなさい。転職してくれというメッセージを感じます…。僕の友人、元同僚だけで4人はいますが、出世コースへの復活はかなり困難です。

銀行員としての未来がないということですね…。

業務出向はポジティブな要素が強いですが、ネガティブ要素で左遷コースに入っていく件数もかなり増えていると思われます。

1-1-1.業務出向で左遷されていく人は?

左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】で詳しくまとめていますが、この5つが挙げられますね。

  • 報連相をしない
  • 事務処理が苦手で、すぐにミスをする
  • 忙しいことを言い訳にルールや手続書を読まない
  • 優秀がゆえに自分の意見を主張しすぎる
  • 社内のイベントに参加しない

将来が少し不安な方はどうぞ。

左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】

左遷される銀行員の5つの特徴【集団左遷のリアルな実態も記載】

1-2.斡旋出向

40代後半・50代の年配行員が対象で、銀行からは「お疲れさまでした」という出向(銀行の退職金も減少傾向?)です。

その場合には、グループ会社or取引先が多いです。

みずほ銀行で働いている時には、年々出向する年齢が下がっていたように感じました。大学の先輩で46歳で、2部上場の会社に出向させられている方もいましたし。

早いですね。まだまだあと20年以上働くじゃないですか…

70歳まで働いたら、銀行員よりも長いかもしれないですね。

斡旋出向の場合、出向先に転籍しない限り、55歳までは一旦銀行に戻ることが出来ますが、基本的には選択肢は少ないです。

なので、銀行で働き続けるにして30代・40代の銀行員がリストラされる前にすべき3ステップはコレ!を意識して備えていく必要があると感じます。

30代・40代の銀行員がリストラされる前にすべき3ステップはコレ!

30代・40代の銀行員がリストラされる前にすべき3ステップはコレ!

2.出向する割合

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

出世コースから外れるという意味で、99%です。

なぜなら、役員になって定年を迎える同期は、数百人の中で1人か2人なので。

正確に言うと、55歳以上で嘱託とか窓際族で残る銀行員もいるので、出向する割合はもう少し少なくなりますが、出世コースに乗らないという意味では、99%が道を逸れていきます。

最近では、メガバンク含め定年延長と言う流れもありますが、簡単に生き残ることは無さそうです。

メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画でもまとめていますが、今の30代以下は「早く辞めてもらってもいいよ」というオーラがにじみ出ていますね。

最近も同僚でうつ病になって通院している人間に、裁量労働を半ば強制で迫る部署もあるようですので、、

正直辛い、毎日23時以降まで仕事しているし、、

といっていましたし、銀行側としても出来る限り使ってやりたいという想いがあるのでしょう。

それで辞めたければ早く辞めてくれといった具合に(笑)

メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画

メガバンクが人員削減を進める理由と間接的な5つのリストラ計画

3.なぜ銀行員が出向させられるのか?【出向先ごとに解説】

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

業務出向と斡旋出向でそれぞれ解説します。

3-1.業務出向

2年程度の出向が一般的で、マネジメント能力やコネづくりの意味合いが強く、下記のような出向先が多いです。

  • 官公庁:東大・京大出身者がコネづくりをするため
  • 超大手企業:銀行とは別の世界で働くことで視野を広げるため
  • 子会社・関連会社:経営企画部などで、マネジメント経験を積むため
  • 子会社・関連会社:左遷部署に飛ばされるため

一番下のケースは、完全に左遷ケースでいい方は悪いですが、早く辞めてくれ的な指令かもしれません。

東大出身の支店の後輩、東大出身の同期が、4人とも官公庁に2年間出向しましたが、企画系の部署か花形の営業部に戻ってきて出世コース(役員には東大・京大が多い⁈)を歩んでいます。

また、一橋出身の同期や同支社出身の先輩は子会社の経営企画部署に出向しましたが、その後も出世コースを歩んでいます。

頭取になっていく人でも、一旦外の視点を見たり、そもそも外部から入ってきたりというのはありますね。

実態は、【銀行の頭取とは⁈】仕事内容・なれる確率・年収1億超えるの⁈でまとめています。

【銀行の頭取とは⁈】仕事内容・なれる確率・年収1億超えるの⁈

【銀行の頭取とは⁈】仕事内容・なれる確率・年収1億超えるの⁈

3-2.斡旋出向

グループ会社、取引先との関係維持を考慮して、下記のような出向先が多いです。

  • リース会社:営業が多い
  • 保険会社:営業が多い
  • 不動産会社:営業が多い
  • 保証会社:営業が多い
  • 銀行が株主の企業:営業・総務・財務・経理
  • 融資先:営業・総務・財務・経理

僕の1店舗目の元支店長は完全営業畑だったので、グループの保険会社の営業部長となり、取引先を紹介してもらうために銀行の支店に頭を下げて回っていました…。

ただ、銀行が株主の企業・融資先の管理系部署に行く方も多いですが、出向先のオーナーと合わなければ、辛い人生が待っています…。

事業会社の内部を分かっていない銀行員が来ても迷惑なんだよな。

とか言われたら、もうどうしようもないですしね。

また、銀行員時代の役職によって出向先のポジションにも、このように差が出てきます。

  • 執行役員クラス:1部上場の取締役、2部上場の副社長、グループ会社の社長
  • 支店長クラス:1部上場の部長、2部上場の取締役、未上場(優良)の副社長、グループ会社の取締役
  • 副支店長クラス:2部上場の部長、未上場(優良)の取締役、グループ会社の部長
  • 課長クラス:2部上場の部長代理、未上場(優良)の部長、グループ会社の部長
  • 課長代理クラス:未上場(平凡)の部長、グループ会社の部長代理

仮に、同じ会社に後輩が入ってきても、年功序列ではなく、銀行員時代の役職である程度地位が決まりますので、先輩・後輩の役職が逆転することは常です。

銀行内で出世するかが大事ですね…。

4.出向後の給料は?

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

業務出向と斡旋出向でそれぞれ解説します。

4-1.業務出向

基本的に、ベースの給料は出向前と変化はありませんが、残業できない(or残業代が出ない)などの制約があり、給料ベースでは一時的に下がる方が圧倒的に多いです。

良い業務出向の場合は、経験を買うイメージですので、一時的に年収が落ちても気にしない方が良いです。

出向先による違いはこのような感じです。

  • 官公庁:裁量労働or残業無し
  • 超大手企業:裁量労働or残業無し
  • グループ会社(優良):裁量労働
  • グループ会社(窓際):残業無し

官公庁に出向した同期は、残業時間が長いのに残業代がほぼ出ず、全体の給料がかなり下がったとのことでした。

子会社の経営企画部に出向した先輩は、裁量労働で100時間以上の残業で40時間分の残業代しか出ないという人もいました。

4-2.斡旋出向

基本的には、給料が下がります。

斡旋出向も種別や年齢により異なるので、一般的に区分けするとこのような感じです。

  • ~55歳(出向中):銀行員時代の最後の年収と同じ
  • 55歳~60歳(出向→転籍):銀行員時代の最終年収の7割程度
  • 60歳~(出向→転籍):銀行員時代の最終年収の5割程度
  • 年齢関係なく転籍:転籍した先の年収なので転籍した先のポジション次第

ただ、これも人によります。

僕自身が非常に仲良かった銀行OBは、こんな感じでした。

  • みずほ銀行支店長→1部上場の部長→1部上場の常務取締役(60歳超・年収1,700万円程度)
  • みずほ銀行管理系部署の支店長クラス→2部上場のNO.3(60歳超・年収1,500万円程度)

この方達は、自分の力で良いポジションを勝ち取っているので、支店長時代の年収とほぼ変わらない給料を確保しています。

なので、これもある程度は人次第ですね。

5.今後の銀行業界の出向について

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

悲しいことに、この2点は確実でしょう。

  • 出向時期が早まる
  • 出向者の増加

理由は以下の通り。

  • メガバンクですら数千~数万人の人員削減を発表しており、年長者を早くカットすること
  • 2019年11月にみずほFGでは、企業年金を減額することを発表
  • みずほFGでは48~53歳の社員が20年度中に自己都合で退職した場合に、年金を減額しない特例を設けていること
  • メガバンク、地銀のリテール部門(最も人員を割いている)は大半が赤字
  • いきなり40代のITリテラシーの無い銀行員にデジタル化と言っても対応は困難

3つ目は極端ですよね。この世代は、ITリテラシーが無いからとにかく早く辞めて下さいオーラが半端ないですね…

銀行員なら何だかんだ安泰と僕は銀行員時代は思っていましたが、もし同じように思っている方がいたら危険です。

銀行にしがみつこうとしている銀行員は、左遷コースまっしぐらですね。

自分の身を自分で守るためには、30代・40代の銀行員がリストラされる前にすべき3ステップはコレ!が必要だなと考えます。

6.出向を言い渡される前に出来ること

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

この2つしかないですね。

  • 早めの転職をする
  • 副業を始めて別のスキルを身に付ける

なぜなら、40代になってから自分は他では何も出来ないってなったら、かなり辛いので。

苦労するなら、出来る限り20代・30代のうちがいいですよね。

若いうちの方が良いですよね。

40代になってからだと、段々と周りの目も冷たくなくなりますし。

6-1.早めの転職をする

僕自身も30代になってから転職しましたが、転職したり、フリーランスになっても苦労は絶えません。

ただ、40代で外の世界で何もできずに転職するよりはいいかなと思います。

30代で銀行から転職をした僕が、【元みずほ銀行員】銀行を辞めたいと思って30代で転職しましたを作成したので、銀行にいる未来よりも明るい未来をゲットしたい方はどうぞ。

【元みずほ銀行員】銀行を辞めたいと思って30代で転職しました

【元みずほ銀行員】銀行を辞めたいと思って30代で転職しました

またその際に、僕が実際に利用した転職サイトや転職エージェントはこちらです。

僕も転職活動で沢山の方に相談して勉強になったので、早めに相談してみるのもありな選択肢です。

2度の転職活動で次も利用したいと感じた転職サイト/エージェント

doda求人数トップクラス、転職者満足度No.1転職エージェント

JAC Recruitment30代以上の銀行員なら利用すべき転職エージェント

ビズリーチ年収600万円以上なら利用すべき転職サイト

6-2.副業を始めて別のスキルを身に付ける

これもありな選択肢かなと思います。

なぜなら、銀行員の特徴として、やりたいこと・外の世界でやりたいことが分からないという事象があるから。

僕自身もそうだったし、同僚もまさにやりたいことが特段無いから銀行内にいるとよく言ってます。

なので、とりあえずお金を稼げなくてもいいから副業からスタートしてみるというのはありな選択肢かと。

やってみると分かりますが、副業で1円を稼ぐことは想像以上に大変です。

ただ、本当の意味で社会勉強になるのでトライしてみてください。

実体験ベースの始めやすい副業を、銀行員にも副業は必要!【始めやすい副業を4つまとめてみた】にまとめています。

銀行員にも副業は必要!【始めやすい副業を4つまとめてみた】

銀行員にも副業は必要!【始めやすい副業を4つまとめてみた】

7.【まとめ】銀行員の出向は早まる。出向と言われる前に自分の可能性を拡げよう!

銀行員の出向とは⁈【元メガバンク銀行員が未来も語る】

今回の記事をまとめるとこのような感じ。

  • 銀行員の出向には2種類あり、業務出向と斡旋出向がある
  • 業務出向は若手行員が中心で、ポジティブな要素が強いが、最近ではマイナスの出向も増加傾向にある
  • 斡旋出向は年配行員が中心で、基本的には片道切符で55歳以降は年収がガクッと下がる
  • 今後、銀行員の出向は早まり、出向者の増加が予想される
  • 出向と言われる前に、自分のスキルを高め、可能性を拡げる努力が必要

銀行は楽しい、上を目指すんだという希少な銀行員は、是非銀行の未来を明るいものにしていただきたいです。

最近の流れとして、将来性のある銀行員と将来性の無い銀行員の特徴でもまとめていますが、よりはっきりと優劣かどうかが分かれてきていると感じます。

なので、銀行で働き続けるにして30代・40代の銀行員がリストラされる前にすべき3ステップはコレ!を意識して備えていく必要があると感じます。

2023年2月からサトルライフ再始動!ということでブログだけではなく、YouTubeも始めました。銀行員生活にモヤモヤしている方、銀行での試験勉強から一息つきたい方、銀行から転職したい方向けに、好きなことをたまに話しています。